青森ねぶた祭
イーコネの青森支店がある、青森県の魅力をご紹介していくこちらのコーナー。
第14回目の今回は、3年ぶりに開催された日本の火まつり「青森ねぶた祭」をご紹介していきたいと思います!!
ついに、このときがやってまいりました🥺
ねぶたの歴史
そもそも「ねぶた祭」と呼ばれるようになったのは1958年からと言われています。以前は「港まつり」という名前でした。
ねぶたの原型だと思われる箱灯ろうの運行は、1700年ころから行われていたと言われ、箱灯ろうから人形型、扇形に変わっていきました。そこから担げないほどに大きくなったねぶたはリヤカーのような山車にのせられ、現在のねぶたの型になっていったと考えられています。
ちなみに、港まつりは青森市が空襲で焼け野原になったころの1947年に市民に勇気と元気を与えるため「戦災復興港まつり」が開催されました。港まつりは1957年まで続き、花火大会・ねぶた運行などが行われています。
様々な地域のねぶた
実は、ねぶたは1つではありません。青森のいろいろな地域で行われています。
青森市で開催される「青森ねぶた祭」、弘前市・黒石市で開催される「ねぷた祭」、五所川原市で開催される「立佞武多」があります。
その「ねぶた・ねぷた」が行われる地域をみてみると、食文化と関係していることが分かります。
青森は、奥羽山脈を挟んで「稲作地域」と「酪農・牧場地域」に分かれていますが、青森市、弘前市、黒石市、五所川原市で行われるねぶた・ねぷたと言われるお祭りは稲作地域に分布し、八戸市で行われる三社大祭やえんぶりのようなお祭りは酪農・牧場地域に分布しているのです。
稲作地域で行われるねぶた。次はそれぞれの違いをご説明していきます。
ねぶた祭
ねぶた祭の起源は、七夕様の灯ろう流しの変形と言われています。多くの方がテレビなどで目にしたことのある迫力満点のねぶたがこの青森市のねぶたです。
囃子方と呼ばれる方々の笛・太鼓・手振り鉦が祭りを盛り上げ「ラッセラー」の掛け声とともに跳人が乱舞するのが特徴です。この掛け声は、ねぶたで使うロウソクを町内でもらい歩く時に歌われた唄が“いわれ”とされています。
「ロウソク出せ出せよ、出さねばかっちゃくど」
の「出せ出せ」が「ラッセ」になりました。この掛け声の様子から凱旋ねぶたと呼ばれています。
ちなみに、「ろうそく出せ出せ、出さないと引っかくぞ」と言っていますよ。
ねぷた祭
こちらは「bu」ではなく「pu」。ねぷた祭の起源は、元々「禊ぎ祓い」という汚れなどを形代に託し、水に流すお祓いから派生したものだと言われています。
諸説ありますが、その中でも定説なのが「江戸時代に七夕祭の松明流しや精霊流し、盆燈籠などが変化したもの」とされています。
青森市のねぶたとは違い、形が扇形なのが特徴です。また、掛け声も「ヤーヤドー」と違いがあります。掛け声は、ねぷた歌が“いわれ”とされています。
「ねぷたは流れろ 豆のはは止まれ いやいやいやよ」
の「いやいやいやよ」が「ヤーヤドー」になったと言われています。この掛け声の様子から出陣ねぷたと呼ばれています。
立佞武多
こちらも「pu」と読みます。たちねぷた。起源は、明治40年代に作られていた高さ約27メートルにも及ぶ古い「ねぷた」の写真を見て復元を試みた有志が平成8年に作ったものが始まりです。
とにかく大きいのが特徴。高さ23m、およそ19トンの山車が見どころで、「ヤッテマレ」の掛け声に合わせて市街地を練り歩き観客を魅了します。
昔のねぷたが「ケンカねぶた」といわれ、お互いのねぶたに石を投げたりしていたことから、その時のケンカ言葉「ヤッテマレ」が掛け声となったとされています。この掛け声の様子から合戦ねぶたと呼ばれています。
このようにねぶた、ねぷた、立佞武多はそれぞれ特徴が異なりそれぞれの良さがあります。来年の夏は青森県のお祭り巡りをしてみてはいかがでしょうか?
2022年青森ねぶた祭をご紹介
今回は、青森支店のある青森市で8月2日から7日まで行われた青森ねぶた祭を詳しくご紹介していきたいと思います。今年は3年ぶりの開催となりました。私自身、久しぶりにねぶたを見ることができ感激でした。
青森支店の入居しているビルの目の前を運行していきますよ!
跳人(ハネト)の様子です。踊りながら祭りを盛り上げています。例年より間が空いていて感染症対策が取られていました。
囃子方の皆さんです。ねぶたを音で盛り上げます。
8月4日、5日限定で出陣した大太鼓です。大きな太鼓は音も迫力満点です!!
今年は台湾出身の呉詠心さんが最高賞のミスねぶたグランプリに輝いたことでも話題となりました。
今回のねぶたの運行はコロナ渦ということで感染を防ぐため、従来の1週する回り方とは違い、吹き流し方式で逆回りという回り方が採用されました。また、正しく衣装を着ていれば誰でも参加できていた跳人ですが、事前登録方式となり当日の飛び入り参加はできませんでした。
徹底した感染症対策を行うことで、コロナ禍でも開催できたのですね!
こちらは、14名での合作によるクラウドファンディング特別ねぶたです。
2020年に新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止になってしまった影響で、多くのねぶた師が収入源を失ってしまいました。そこで、ねぶた師の方々に収入としての支援、そしてねぶたを制作する場を作るという支援を両立する、クラウドファンディングを実施し完成した合作ねぶたです。
そして5日の夜に行われる優秀なねぶたを決める審査も見どころの一つです。
今年のねぶた大賞は、青森菱友会の「龍王」(作: 竹浪 比呂央)が選ばれました。ねぶた大賞以外にも知事賞・市長賞・商工会議所頭賞・観光コンベンション協会会長賞・最優秀制作者賞・優秀制作者賞と様々な賞があります。
大賞に選ばれたねぶたは、7日の夜に行われる海上運行に出られる他、1年間青森駅の近くにあるねぶたの家ワ・ラッセに展示されます。ねぶた期間が終わっても見られるのは嬉しいですね!
まとめ
今年は跳人の人数や大型ねぶたの台数が少なく、盛り上がりに欠けるのかなと思っていました。しかし、それを補うかのように囃子方やねぶた、観客の熱気はものスゴく、やっと青森の夏が戻ってきたなと感じることができました。
来年の夏はぜひ、迫力満点のねぶた祭を見に来てくださいね!皆さんも「じゃわめぐ」(津軽弁で体中がざわざわするような高揚感)こと間違いなしです!!
各ねぶた祭日程
2022年に行われたお祭りの日程です。
〇青森ねぶた祭
8月2日~3日 | 子供ねぶた・大型ねぶた運行 |
8月4日~6日 | 大型ねぶた |
8月7日 | 青森ねぶた昼運行・海上運行・青森花火大会 |
〇弘前ねぷた祭
8月1日~4日 | 土手町コース |
8月5日~6日 | 駅前コース |
8月7日 | 土手町午前コース |
〇黒石ねぷた祭
7月30日 | 出陣式の後運行+審査 |
8月2日 | 富田大通り高樋理容所前にて表彰 |
〇五所川原立佞武多
8月4日~8日 | 各コース出陣 |